彼らは『おカネで解決できないことに初めて出会った』と言います。『自分たちの人生の汚点だ。だからいなくなってほしい』と言う人も多い。『自分の人生の足を引っ張られた』と言う人もいました」
では、彼らの子供たちはどういう状態なのか。
「2種類いまして、必ず真っ白か緑色の顔をしています。真っ白なのは10年単位で太陽の光を浴びていない子、緑は半年単位でお風呂に入っていない子です。身体にカビが生えているんですね」
年収1億円を超える開業医から相談があった。
「今朝、息子が暴れてパソコンを壊したんです。これから買いに行こうと思うのですが、どんな機種がいいですか」
桑野氏が「ちょっと待ってください、すぐに買ったらまったく意味がない」とたしなめると、「では安いのにしようかな、25万円くらいの」と答えた。
「引きこもりなのに毎月5万円の小遣いを与える。だから、子供はネットで好きなものをいっぱい買っています。部屋がスポーツジムみたいになっていて、他人に会わないのに身体を鍛えている。色は真っ白でも腹筋が割れていたり。
億の収入があれば、子供に最高のものを与えようとします。教育もそう。最高の塾、最高の家庭教師、最高の学歴……。それに反発して引きこもりになった子がほとんどです。
本当は、子供たちはささやかな愛情を求めているんですよ。『お前が生きていてくれるだけでいい』と親に言われた子なんて一人もいない。逆に、『こんな子、もうあなたにあげます』と私が言われたことはよくあります」
彼らは「僕はすべてに成功してきました。だから子育ても成功すると思っていた」と言い、失敗作はいらないと本気で口にする。
桑野氏が言う。
「『友達とご馳走が食べられるから』と喜び勇んで学校に行く母子家庭の子供がいる。本来は引き継いではいけない大金を背負わされた子供のほうが、外から見ると幸せそうでも、よほど苦しいはずなんです」
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